情報経営イノベーション専門職大学【イノプロ】2年D組 Day1 Bored Ape Yacht ClubとLoot

2年生のイノプロ初日のメモです。今日話したトピックについて。

まず「NFT」の新しい動きについて。

前期、注目すべきテクノロジーとして、この3つを取り上げました。
①NFT
②メタバース
③クリエイターエコノミー

とくにNFTは、
①アート作品がバカ売れしてる
②転売されてもクリエイターにお金が入ってくる
③トレーサビリティすごいっ。

という話でした。

あれから半年。。一過性のブームは去ったか。。と思いきや、市場は盛り上がったまま。

CryptPunksは1週間で80億円の売上。(市場規模は、NonFungible.com で)

アートファンてそんなにいたっけ?疑問に思う人もいるでしょう。

諸々調べてみると。。。NFT界隈では、アート作品販売だけにとどまらないオモロイ展開が生まれています。動きが早いっ。。

新たな事例を2つ紹介します。

まず、”Bored Ape Yacht Club”

Ape=「猿」ですね。ポップアート的な猿のイラスト。

2021年4月に発売開始され、半年でトータル10億ドルのビジネスに成長。いまでは1枚2000万円で取引されています。これはスゴい。。

BAYCのどこが新しいのか?

まず第1に、これ「NFT×会員権商売」ってとこです。猿のイラストが、Ape ヨットクラブの会員券。

同社サイトから引用してみます。

When you buy a Bored Ape, you’re not simply buying an avatar or a provably-rare piece of art. You are gaining membership access to a club whose benefits and offerings will increase over time. Your Bored Ape can serve as your digital identity, and open digital doors for you.

BAYC

これを購入すると、クラブ=コミュニティへ入会できる。。購入した人同士のコミュニティで楽しもうっていう。

でも、知らない人同士でなにするの?って疑問も。。

そこは、お金儲けにつながることも書いてあります。Bored Ape購入者には、商用目的利用が許可されています。

Ownership and commercial usage rights given to the consumer over their NFT

BAYC

実際に、米国のクラフトビールレストラン”North Pier Brewing Company“がApeを購入、“Bored Ape IPA”を発売しています。4缶パックで12.99ドル。

Ape into this IPA with tropical fruit & passionfruit aromas and a touch of hop bitterness. This IPA is a tribute to the Bored Ape Yacht Club #BAYC. Stay bored, my friends. #NFT

North Pier Brewing Co.

購入者が、とりあえず自分の商売に結びつける。

そんな事例がもう生まれてます。。

第2に、Bored Apeを作った人は、ファシリテータ的な役割を果たしています。

今年前半は、NFTだと転売されてお金入ってくる。クリエイターがやっと自分のアートを売って自活できるって思ってました。

とても夢ありますね。

Bored Apeは、それだけじゃなく、このApeアートでもっと儲かる商売できるんでは?ってことを考えてます。

プロデューサーの立ち位置。(クリエイターでなく)

IPを一個作ったら、マーチャンダイズや他のメディアで売る。

ディズニーは、映画やイベント、ディズニーランド、ゲーム、お菓子、グッズでビジネスを大きくしました。

それをBored Ape=NFTでやるということです。

たとえば、ヨットクラブメンバーには、”Bored Ape Comic“というApeのコミックを制作しているグループがいます。

全部で10,000冊発売され(もちろんNFT)、いま2万円ぐらいで買えます。(自分はまだ買ってませんがw)

このプロジェクトは、Club公認でなく、Apeを購入した3人が”勝手に”始めたものです。

この辺の距離感が、ディズニーなどNFT以前のコンテンツビジネスと違うところでしょう。

NFT以前は、著作権侵害に対し、裁判、弁護士などが必要でした。

NFT以降は、テクノロジーがそれを担います。

Bored Ape Comic“の”Roadmap”には、こんな項目が書かれています。

メタバース上の土地を購入、またメタバース内に溜まり場を作る、ラジオショウを制作する、持っているApeを次の#2に登場させる。。などなど。

キャスティング募集の告知やコミュニケーションはdiscordでしてます。

次の#2のApe募集は、もう始まってますね。64匹が掲載されるそうです。ちなみに、募集してるAvaCastは、アバターのキャスティングマッチングサイトです。

以上、Bored Ape Yacht Clubは、「NFT×会員権」ビジネスで、制作したチームはプロデューサー的な立ち位置。これからのIPビジネスの姿を示しているといえます。

次に”Loot (for adventure)“について

Lootのサイトにいくと、黒地にテキストが書かれたカードが並んでます。

わけわからん。。という人も多いのではないでしょうか。

Lootが販売してるのは、冒険に持っていく道具が書かれたカード(Bag)です。道具は8つです。

Each loot bag contains 8 items: a piece for an adventurer’s chest, foot, hand, head, neck, ring, waist, and weapon.

Loot

これが、Openseaで200万円くらいで取引されています。

なんでお金払うの?カードの価値はなんなのでしょうか?

Lootの新しさは、次の2点です。

まず、ブロックチェーン時代の新たなマネジメントスタイルであることです。

配られるのはミニマムな情報だけ。あとは自分で考えろと。。

Bagには”intentionally”(ワザと)諸々の情報を省いてるとあります。

Stats, images, and other functionality are intentionally omitted for others to interpret. 

Feel free to use Loot in any way you want.

 

Loot

なんか究極。自由にやれと言われるとなにしていいかわからなくなるパターンになりそうです。

もう一箇所引用します。

Loot is the unfiltered, uncensorable building block for stories, experiences, games, and more, in the hands of the community, at no cost. Loot pursues complete decentralization from day one.

Loot

ゲームを構成する最小元素だけを提示する。なんの色もついてない。

レゴみたいなものですね。

これは、ブロックチェーン時代のファシリテート、マネジメントのヒントになるかもしれません。

2つ目は、Apeと同じで、コミュニティを形成する点です。

Lootを買った人が、ゲームのストーリー、キャラの外見・デザインを決めていく。

With no company, art, team, or attributes, Loot makes it impossible to gate-keep any creative decisions

Loot

Lootのbagは全部で8,000個。いつも話をするアメリカOben社のパートナーは、「RPGと一緒だし、それほどわからんでもない」みたいなことを言ってます。

それに、始めたのがVineの創業者「Dom Hofmann」氏ってとこが、西海岸シリコンバレー界隈でささってるようです。「彼はビジョナリー」としてリスペクトされてます。

受け手の想像力を試すような遊び。Less is more. Silence is golden. 黙して語らず。秘すれば花。。ミニマルな姿勢には昔からいろんな表現があります。

水墨画のようなプロジェクト。。

Yacht Clubはイラストは提供されてました。Lootはもはやそれすらもない。共通してることは、コミュニティ運営が主軸だということ。

ということで、NFTの新たな動き。まとめると

  • NFTをコミュニティ会員権として利用
  • NFTを購入=方向性共有してる仲間
  • コミュニティには同じ趣味の仲間が集まる場所
  • NFT制作・販売してる人は、クリエイターというよりビジネスプロデューサー
  • コミュニティのファシリテートをする
  • その方向性をroadmapで明示
  • マネジメントは、ブロックチェーン、スマートコントラクト等が前提

システム構成

2年生の初日。今回も「先生はzoom、学生は教室」パターンで授業をしました。グループは、自主的に組んでます。全部で9グループ。

また、後期は初回と2回目の間が1ヶ月空きます。。ずいぶんイレギュラーな日程になっております。

今回はネットワークがズタズタでした。ネット速度は、前回1年生と同じで支障でないはずなのですが。。

ネット速度:上り34.6 Mbps、下り30.3 Mbps
Mac Book Air 13
zoom

追記: こんな展開も

授業初日メモ – その② アテンションエコノミーについてはコチラ