マイケル・サンデル教授の「実力も運のうち 能力主義は正義か?」を読み、韓流ドラマ「SKY キャッスル」とネトフリ「裏口入学事件 バーシティブルース」を見てみた

先日、マイケル・サンデル教授の「学歴」本(実力も運のうち 能力主義は正義か?)を読みました。

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アメリカ社会の格差が固定している要因が「学歴」である!という主張。とても腑に落ちました。2016年大統領選で、なぜヒラリーがトランプに負けたか?「学歴」をキーにした分析も腑に落ちました。

また、Netflixでドキュメンタリーが見られる「バーシティブルース」事件も取り上げられています。なぜこの事件があれほど多くの逮捕者を出し、大問題になったのか。「学歴」をめぐる建前と裏側の理解が深まりました。

この本のロジックは次の通りだと思います。

  • 学歴が格差を固定している。
  • その学歴は収入と結びついている。
  • しかし、高学歴者は、学歴は平等であると主張している
  • そこに低所得者は不満である

教育にお金をさけない家庭は、有名大学に入るのは難しい。それに有名大学の入学率は落ちている。狭き門に受かった学生たちは、「学歴」は平等にチャンスがあるという建前のもと、学歴のない人への対応を間違えてきた。

この辺が、トランプ、バーシティブルースなど格差の固定の歪みの原因と思います。

こうした問題の解決策のひとつとして、サンデル教授は、入試の合否を「クジ」で決めることを提唱してます。

自分も賛成です。人間そんなに差があるわけないですから。。我々はDNAの0.1%がその人の個性を生んでいる。99.9%はみんな同じとのこと。。

自分のいた地元の大学附属小、中学校も以前は、クジで合否を決めていました。(全員ではなかったと思いますが。。自分はクジに外れましたw)

ほかにも、永く続いてる組織は、組織「継承」に偶然性を組み込んでる事例って結構多いと思います。

自分が若い頃知っていちばん驚いたのは、チベットのダライ・ラマの継承です。ダライ・ラマは、血筋でもなんでもなく、先代が死ぬと、その後「転生」したと信じられる子供を探し出し、その子が次代ダライ・ラマとなります。(転生については、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所 参照)

ほかにも、司馬遼太郎さんの「この国のかたち」に江戸幕府の人材登用の方法が載っています。これもかなり適当(いい意味で。ユルさ)だったみたい。。

いっぽう、この本を読む前に偶然見てたのが、韓流ドラマ「SKYキャッスル」です。お金持ちの家庭が、家庭教師(コーディネーター)を高額で雇い、医科大学を狙う物語ですが、財力で多くの情報を集め入学することは「合理的」であるという姿が、延々と描かれています。(このドラマには、その前に見た「悪霊狩猟団:カウンターズ」の主役(ソ・ムン)のチョ・ビョンギュや、梨泰院クラスで、あの会長の子供(パク・セロイの店で働く)を演じたキム・ドンヒが双子役ででてたり、「秘密の森」で確か社長役をやってたユン・セアさんがでていたり、役者的にも楽しめます)

【スカパー!】1chから自由に選べて変えられる!

ほかに、サンデル教授の本にも紹介されてますが、ハルバースタムの「ベスト&ブライテスト」って本も有名です。「ベスト」と「ブライテスト」な人材を集めたのに、なぜベトナム戦争は失敗したのか?学生時代、読んだ時は、面白くて興奮してたと思います。

この「実力も運のうち 能力主義は正義か? マイケル・サンデル 」の原題は、”The Tyranny of merit”です。

関連作品

裏口入学事件 バーシティブルース作戦

この本で取り上げられている裏口入学事件のドキュメンタリー。Netflix。とても面白い。

裏口入学=アンフェアなのはもちろんですが、「格差」視点から捉えられたため、より多くの人々に「アンフェア」感が共有され、米国で大きな事件として取り上げれられた理由がよくわかりました。

自分的には、デスパ妻のあの双子で広告会社幹部の母親とフルハウスの妹役の女優もお金を渡していたのにショックw

フルハウスの娘は、オリビア・ジェイドは、YouTuberとして活動してます。