ユニットエコノミクスとは、集客費用に対し、獲得した顧客がどれくらいお金を落としてくれているのか?あるいは、製造原価と単価の比較などなど。コストと売上の比率、割合の指標です。
費用と売上の関係値を把握し、スケール時の広告費の上限など固定費の限界を知るのに利用します。
製品1個のユニットエコノミクス
ユニットエコノミクスには、①製品1個あたり、②顧客1人あたりの指標と、サービス形態によって使い分けが必要です。
まず、製品を売る、売り切りタイプのビジネスの場合、1個当たりのユニットエコノミクスは、「限界利益 (contribution margin)= 売上 – 製造原価」 となります。
限界利益は「この売上で固定費どれぐらい賄えるの?」を示す数値です。まさに「限界」です。
製造業の場合、売上が増える=製造個数が増える=材料個数が増える=1個あたりの仕入れコストが下がる=製造コストが下がる=限界利益が増える、というのが一般的です。
顧客1人あたりのユニットエコノミクスは?
次に、SaaSのサブスクなどの場合、顧客1人(社)が基本単位になります。こちらは、ある期間に顧客1人が生み出す利益を獲得コストで割って算出します。(時間の概念が入ります)
顧客1人あたり利益(LTV:life time value:ある期間の粗利)の算出方法は、ビジネス形態によっていろいろ考えられますが、最終的に「売上総利益/顧客数」となります。(売上総利益=売上-売上総原価です)
そのLTVを獲得コスト(CAC:costmer acqusition cost)で割った数値を、ユニットエコノミクスと呼んでます。Y=LTV/CACです。
Y(ユニットエコノミクス)の値は、3−5が適性と言われています。その値に収まるように、変数を調整、落ち着いてきたら次の成長を考えましょう。
まとめ
まとめると、ユニットエコノミクスは、「Y=売上総利益/顧客獲得単価」でした。なぜ、顧客獲得コストで割る=分解するのでしょうか?
それはサブスクサービスは、売上を上げる原動力が「顧客(数)」だからです。つまり、サービス業ということですね。製造業はモノ作りですので、製造原価が重要でした。
「Y=LTV/CAC」この数式を因数分解していくと、自分のビジネスのワークフローが具体的にイメージできます。
ユニットエコノミクスが想像できたら、そのイメージを数値に反映させ、次はPLやCFを作成してみましょう。
おまけ
スタートアップのユニットエコノミクスに注目し、迅速な融資を行うベンチャー企業もいます。
アメリカの”Clearco“は、広告宣伝をすればスケールするスタートアップに、融資をするというビジネスをしています。ユニットエコノミクスが10前後で安定してるなどの審査基準を満たせば、融資が実行されます。
ベンチャー企業はスケールするためにVCから自社株式の引き換えに資金調達を行ってきました。Clearcoの創業者は、広告宣伝費に、自社株と交換で得たVCからの資金を使うなんてもったいない。成長するのがわかってるビジネスであれば、融資でも貸倒リスクは少ないなず。。という理屈に基づいて立ち上げられたビジネスです。
下記は、ユニットエコノミクスに言及されたベンチャーキャピタリストの方がゲストの回の授業記録です。参考までに。