ワークフローの数式化
経営分析界隈は、さまざまな数式を用いる指標が大好きです。ROA(Return on Asset)やROE(Return on Equity)などなど。こうした指標は、四半期毎に公開されるIR情報を基に作成され、投資判断につかわれてきました。
ビジネスがアナログだった時代、経営分析指標は、会計的なデータを元に作成するしか手段がありませんでした。つまり、紙の伝票を集め、仕訳した数値です。
ところが、2000年以降様子が変わってきます。
きっかけは、ネット上で完結するビジネス=eコマースや電子決済など、またアドテクと言われるネット広告の登場です。商取引がネットで行われれば、顧客が接点を持ってから、購買に至るまで、全ての行動が自動で記録されます。
すると、そのデータを基に、ワークフローが数式化されます。(上述したROAやROEは、取引終了後のデータでした。)ワークフローはリアルタイムな業務、業務それ自体ですから、リアルタイムな業務改善につながります。
たとえば、eコマースの集客から購買までのワークフローを数式化してみます。Yを売上とすると、「Y(売上) = PV(ページビュー) ✖️ CTR(クリック率)✖️平均購入金額」となります。
このような数式を作ると、どの変数を変化されれば、売上(Y)が増える=ビジネスの改善につながる的なコンサル思考が生まれます。
さらに、数式で、いちばん影響力のある変数をKPI(Key Perfomance Indicator)として設定、リソースを集中投入するみたいな思考も生まれます。
現在は、営業マンの訪問頻度、電話回数、さらには議事録なども、自動でデータ化されてきました。朝「行ってきます」と会社を出て、とりあえず喫茶店でたむろし、それから営業先を数件回る。ビジネスは夜決まるとかゴルフ場で、といった営業文化はどんどん無くなるでしょうw
こうしたオペレーションを記録するという考え自体は昔からありました、2000年前後、オペレーションを全て手入力で記録し、コスト把握するABCアカウンティングなんてのが最新理論としてもてはやされていました。でも誰もやらないんですね。面倒なので。。。
ビジネス活動がデジタルで完結すれば、自動で記録されます。ワークフローを数式化し、課題を洗い出す。可視化・解像度といったワードを最近よく聞くようになったのも、こんな文化背景があると思います。
ファーストフードもオンラインオーダーが増えているという記事。購買行動からリソースを最適化する。。なんてことが聞こえてきます
https://restaurantbusinessonline.com/technology/big-fast-food-chains-find-their-digital-footing