最後の無類派作家 梶山季之 – 大下英治
アーティストの空山基さんがテレビでこんなことを言ってました。
「落語のオチってオヤジギャグである。しかし、一生懸命、まじめにやってると芸術になるし、伝わる」
梶山季之さんもキャリアの後半は、エロ小説ばかり書くようになってしまったみたいで、いまではあまり名前を聞くことはありません。。
が、とてもすごい方だったことが、よくわかりました。
- 韓国が日本の植民地だった頃、ソウルで生まれ、終戦後広島で青春時代を送ります。
- 書き手として同人誌に投稿しながら、広告取りなどの営業もこなす。
- 東京に出てきたあとも、週刊誌の立ち上げに参加、チーム制で原稿を書いていく手法を生み出します。
- 「トップ屋」として、週刊文春の立ち上げに貢献。
- 1970年代の作家年収一位。
などなど。
とかく昭和の週刊誌の連載小説(大衆小説)は、男性読者へのサービスからエロ表現が入っていて、文壇的に評価されないのかもしれませんが、いま読んでもそのスピード感やのめり込ませ感にとても引き込まれます。
池波正太郎の「鬼平」「剣客商売」「梅安」シリーズなんてこんな面白い小説あるのかというぐらい面白い。
おそらく、その時代の若いインテリは、池波正太郎や梶山季之でなく、大江健三郎なんでしょう。黒澤明でなく小津安二郎なんでしょう。
それでも後の時代でも、面白いのは大衆娯楽エンタメな気がします。
ともあれ、梶山季之さんの起業家的な作家人生。タイミングと努力、イノベーティブな手法を持ち込んで稼ぐ。
とても面白いです。
図書館にあります
「赤いダイヤ」「黒の試走車」「李朝残影」など他の梶山作品も読みたいと思います。

